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東戸塚田園眼科クリニック
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田園通信

2019年11月05日 [眼科 東戸塚]

こんな体験、したことありますか?

こんにちは。東戸塚田園眼科クリニックです。
3つの大きな台風によって、今秋の日本は甚大な被害をこうむりました。被災された方々の現況を報道で知るにつれ、その悲惨さに心がとても痛みます。
今回は、その地域できっと人命救助に邁進しているであろうあの方々に出会うきっかけとなった出来事について紹介したいと思います。

今からちょうど1か月前、家族4人で草紅葉も美しい東北の百名山を下山中、9合目で社会人の娘が転倒、左足を骨折、歩行困難となりました。携帯電話は電波が届かず使用不可の中、すでに時計は午後2時を回り、山に夕闇が迫ります。すぐに予備の食糧、非常用装備と山岳部出身の息子を娘と共に残し、私たち夫婦は救助を求め下山を開始しました。9月下旬のこの山の2000メートル付近では、夜は氷点下です。焦る気持ちを抑え冷静さを保ちつつも急坂をなるべく早くでも慎重に進むことは、まさに修行のようでした。
8合目を下山中、最初で最後の登山者と遭遇、天が味方したか偶然にもその方はプライベートで登山中の東京の山岳救助隊員でした。ことの詳細を伝えるとすぐさま「では、降ろしましょう。」の一言。あっという間に駆け上がっていくその勇ましい後ろ姿を今でも忘れることはありません。
私たちは、一足先に1500メートル付近の山小屋まで2時間半かけて下山し、現地の山岳救助隊へ救助を要請、待つことさらに2時間半。真っ暗闇の中から、半泣きの娘を背負った救助隊員と2人分のリュックを背負った息子の姿に出会えた時は、山小屋の皆さんと共に笑顔と涙でいっぱいになりました。
さらに救出劇は続きます。ヘリでの搬送が不可能なため、徒歩にて山岳救助隊総勢11名が到着したのが夜11時。その後、夜を徹して11名の隊員が交代で娘を背負い駆け足で夜露に濡れる山道を降り、救急隊の待つ登山口に到着したのが午前4時ごろ。1時間かけて救急車で病院に到着、骨折から14時間後ようやく処置を受けることができました。
山小屋までの下山中には、暗闇の中で今まで聞いたことがないような動物の鳴き声と気配に怯え、激痛との戦いで心が萎えていた娘たちを励まし、疲弊しながらもたった1人で娘を背負って山小屋まで救助し笑顔で去っていった救助隊員の方、そして激痛と低体温症でガタガタ震える娘を気遣いながらも、アップダウンをものともせず暗闇を11人の見事な連携で走って救急車までつないだ救助隊員の方々と初めて間近に接し、皆頼もしく、命懸けで人命救助に携わっているという気概を感じ、感動を覚えました。

山行を始めて30数年。ちょっとした油断が大事を招くことを重々承知していたはずでしたが、今後は今回の出来事を教訓により注意深い行動を心がけようと思ったと同時に、山の中ではいざというときには命を懸けて守ってくれる力強くて頼りになるそして笑顔の素敵な方々の存在があることを知ることができました。
また、今回の出来事では山岳救助隊、山小屋のご主人、そして現地及び近隣の医療関係者と本当にたくさんの方々にお世話になり、我が家にとって人の心の温かさが本当に身に沁みる忘れられない体験となりました。

最後に娘が山小屋のご主人にも、山岳救助隊の皆さんにも言われた一言を書きます。
「今回の怪我で山を嫌いにならないで。また、必ず来てね!」

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