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東戸塚田園眼科クリニック
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田園通信

2024年01月13日 [眼科 東戸塚]

日本で増えています!〜国内失明率第4位・加齢黄斑変性〜【治療・予防編】

東戸塚田園眼科クリニックです。

前回の記事では、加齢黄斑変性という病気の症状・種類・原因について記述しました。
本日は、加齢黄斑変性の治療方法と予防について、ご説明させていただきます。

予防と治療の画像
〜滲出(しんしゅつ)性加齢黄斑変性の治療〜
萎縮性加齢黄斑変性は、治療薬がまだ研究開発段階でまだ治療法がありませんが、
滲出性加齢黄斑変性は、脈絡膜新生血管をターゲットにした治療が発展してきました。
症状や、病気の進行に応じて治療法が選択されます。治療法は以下になります。

・光凝固:最初に開発された治療法です。
レーザーによって新生血管(異常な血管)を凝固させます。
レーザーは新生血管だけではなく網膜も凝固してしまいますので、
新生血管が黄斑の中心部に近い場合は、この治療はできません。
今でも、黄斑から外れた脈絡膜新生血管の治療に用いられています。

・光線力学療法:光感受性物質であるビスダインという薬剤を静脈に注射します。
ビスダインは新生血管に集まりますので、レーザーを照射して活性酸素を発生させます。
これにより新生血管が閉塞し、出血も止まります。
以前は、第一選択治療でしたが、現在は特殊例にしか使われません。

・抗VEGF療法(硝子体注射):この治療法は、現在の滲出性加齢黄斑の第一選択治療になっています。
脈絡膜新生血管の成長を促進する「VEGF」の働きを抑制する「抗VEGF抗体薬」を、眼内に注射します。
これにより、新生血管の成長や増殖を妨げ、血液成分の漏れを止めます。
問題は、効果が1か月くらいしか持続しないため、繰り返して硝子体注射を行う必要があることです。
抗VEGF抗体薬は何種類かあり、効果が乏しくなったら薬を変えていきます。
どうしても効きにくい重症例には、光線力学療法を併用することもあります。

・硝子体手術:稀に脈絡悪新生血管から大量の出血が起きることがあり、目の中に多量の出血がたまって急に視界を奪われます。
「硝子体出血」と呼ばれる状態です。硝子体手術を行い、出血を取り除きます。

萎縮性加齢黄斑変性は、治療法がまだありません。
滲出性加齢黄斑変性は、抗VEGF療法が効果的な治療として確立されましたが、
何年にもわたって硝子体注射を続けることが多いのが現状です。
大切なのは、なる前に予防することです。

〜加齢黄斑変性の予防法〜
・黄斑の酸化ストレスを減らす方法:
@禁煙
A過度の日光暴露を避ける


・抗酸化作用を持つ栄養素を取る:
@前駆期の人:黄斑にドルーゼンと呼ばれる老廃物が蓄積した所見など、まだ発症はしていないけれど、近い将来発症するリスクの高い人がいます。
この場合は、加齢黄斑変性の進行を抑えることが証明されているサプリメントを毎日服用しましょう。
このサプリメントは、抗酸化作用を持つビタミン(ビタミンC、ビタミンE), ミネラル(亜鉛、銅)、カロテノイド(ルテイン、ゼアキサンチン)、オメガ3脂肪酸 (EPA and DHA)を含んでいます。
A黄斑に異常がない中高年齢層の人:魚、野菜、果物をバランスよくとることが高い予防効果を持ちます。
ロッテルダムで行われた研究によると、特に、魚を食する効果が高く、魚を少なくとも週2回食べると25%発症が予防できたそうです。さらに、野菜を日に200g以上、果物を日に2個食べると42%予防できたそうです。

〜まとめ〜
加齢黄斑変性から目を守るためには、魚、野菜、果物をバランスよく食べる食生活や、
禁煙、過度な日光暴露を避けるなどの抗酸化ライフが効果的です。
家族に加齢黄斑変性がいる方、遺伝子検査で加齢黄斑変性になりやすいとわかった方は、特に気を付けてください。
また、中年期になったら、一度眼科で検査を受けて黄斑に加齢黄斑変性を発症しやすい所見がないかどうか確認してください。
もしそのような所見があれば、予防用のサプリメントをお勧めします。
そして、急にゆがみやぼやけなど見え方に異常を感じたら
眼科で検査を受けて、早期に加齢黄斑変性を見つけること、
早期に治療を開始することが大切です。

少しでも気になる症状がありましたら、ご来院ください。

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