緑内障になるはっきりした原因は、今のところ解明されていません。ただし、眼圧が高い状態が続くことにより目の奥に続く視神経が障害され、緑内障になりやすいのは確かです。
どのくらいの眼圧に目が耐えられるかには個人差があり、眼圧が高くても視神経の障害が起きない人もいれば、眼圧が正常範囲にあっても視神経の障害が進む人もいるため、その点においては誰が緑内障にかかりやすいか特定することはできません。
ということで、緑内障になりやすいのはこんな人だと断定はできません。ただし、遺伝は緑内障の原因だと考えられています。
その根拠は、血のつながった家族や親戚などに緑内障患者がいる場合は、いない場合に比べて緑内障になる確率が高いからです。
緑内障の原因遺伝子の一部は常染色体優性遺伝ことが、これまでの研究などで判明しています。先天性緑内障の一部は、明らかな遺伝性が認められます。
ストレスも、緑内障の原因であることがかなり前から指摘されています。
現時点においてストレスが緑内障の原因となるという明確な見解は出ていませんが、ストレスにより自律神経系のバランスが崩れることにより視神経や網膜への血流が悪くなって、視神経に障害が出るという説もあります。また、ストレスによる睡眠不足は眼圧上昇の原因となり得ます。
生活習慣も、緑内障の原因になると考えられています。スマホやゲームなどのし過ぎは、目を酷使することになるため、眼圧を上げやすくなり緑内障になるやすくなるといわれています。
枕が高いと首から目や脳へ向かう血液が少なくなり、目の血流が悪くなると眼圧が上がるので、緑内障になるやすいと考えられます。うつぶせ寝も、眼球が圧覚されるので眼圧を上げる原因になります。
睡眠時無呼吸症候群の場合は、寝ているときに息が止まり、目や脳への血流が悪くなるので眼圧を上げる原因になります。
喫煙は、目の血管を収縮させることから眼への血流が悪くなり、さらに活性酸素が発生して目の組織を傷めるとされています。
したがって、心当たりのある生活習慣を見直すことにより、緑内障になる確率を下げられることが予想できます。
なるべく規則正しい生活を送るようにして、タバコを吸う人は禁煙に努め、心身共にストレスを溜め過ぎない健康的な生活が、緑内障の予防になると思われます。
スマホやゲーム、パソコンなども、仕事であれば仕方ありませんが、なるべく1日で利用する時間を決めて制限することをおすすめします。
生活習慣を見直すことも大事ですが、定期的な眼科検診を受けることが緑内障の一番の予防策だといえます。
残念ながら、一度緑内障になると白内障などのように治療で改善させることはできません。緑内障の治療は、発症原因である視神経の障害を修復するものではなく、症状進行を止めるものになります。
緑内障は失明も引き起こす怖い病気ですが、発症初期から治療を開始することにより、ほとんど自覚症状がない軽度な状態を維持できる可能性が高いです。
ただし、自覚症状がほとんど出ないため、症状がかなり悪化してからでないと気づきにくい病気です。そのため、定期健診を受けて早期発見に努めることが大事なのです。
緑内障の原因は明確ではなく、誰でも罹患する病気です。若いときはかかりにくいですが、20代や30代でも緑内障患者は存在します。
40歳以上だと20人に1人が患っていて、けっして珍しい病気ではありません。そのため、40歳を超えているなら一刻でも早く眼科に行って診てもらうことを強くおすすめします。
還暦を迎えたなら、緑内障の他にも目に異常が出ている可能性も高いので、今後は定期的に眼科で検診を受け続けることが大切です。