緑内障とは、眼圧が高い状態が続くことで目の奥にある視神経がダメージを受け発症する病気です。視神経がダメージを受け続けると徐々に視野が減っていき、最悪失明しまう恐れもある怖い病気です。
また、眼圧が正常だとしても発症する場合もあり、生まれつきでなるケースもあるなど、様々な症例が確認されています。
緑内障は遺伝するとも言われていますが、遺伝との明確な関係があるか否かの回答はできないのが現状です。身内が緑内障になったのは自分のせいだと自責の念にかられる方もおられるようですが、現時点ではそのことについて何とも言えません。
ただし、家族に緑内障の患者がいて発症した場合、近視の強さが影響している可能性はあります。必ずしも遺伝のせいで緑内障になったとは断定できませんが、否定もできません。
まだ40歳だから緑内障にならないという考えは捨てた方がよいと思います。なぜなら、40歳以上の20人に1人、つまり5％の割合で緑内障を発症しているからです。
したがって、身内が緑内障と診断されたのであれば、自分も発症していると疑った方がよいといえます。それに、遺伝に関係なく、40歳を過ぎたら緑内障のなる可能性は誰にもあることは覚えておきましょう。
親族が緑内障になった場合、警戒するに越したことはありません。こうすれば緑内障にならないというものが今のところ分かっていませんが、規則正しい生活を送ることがよいのは分かっています。
パソコンの使い過ぎやスマホの見過ぎが目に良くないことも分かっているので、どうしても必要に迫られて使用し過ぎたり見過ぎたりした場合は、目を休めるなどの対策をとってください。
緑内障を完全に防ぐことはできませんが、緑内障になっても早期発見することで、何の症状も出ないまま一生を終えることも可能です。
したがって、眼科でこまめに検査を受けることが、一番の緑内障の予防法となります。特に健康診断などで眼圧が高いと指摘されたり、血圧が低かったりする場合は、早めに検査を受けに行きましょう。
緑内障は自覚症状がでにくいのが特徴です。初期から中期の段階だと、緑内障に気づかないケースがほとんどです。眼圧が高くなくても発症することもあるため、緑内障患者の9割は発症したことに気づいていなかったというデータがあります。
緑内障になって放置しておくと、視力障害が進行し失明する確率を高めてしまいます。日本人の中途失明原因の第一位が緑内障です。
残念ながら、現在の医学で緑内障を治すことはできません。見え方に異常があるならすぐに眼科で診てもらい、異常がなくても定期健診を受けることを推奨します。特に40歳を過ぎているなら一度眼科で診てもらいましょう。
緑内障の治療は、基本的には眼圧を下げることです。
一度障害を起こしてしまった視神経を回復することは困難ですが、視神経の障害が軽いうちに治療を開始することで、自覚症状がない軽度な状態を維持することは十分に可能です。早期発見して治療を開始すれば、失明に至る確率を大幅に軽減できます。
緑内障の治療方法には、薬物治療、レーザー治療、手術の3つがあります。
多くの場合は点眼剤や内服薬よる治療が行われます。緑内障のタイプや程度、眼圧などを考慮しながら患者に合った薬剤を決めていきます。
レーザー治療には2つの方法があり、いずれも眼圧を維持する「房水」排出に働きかける治療となります。レーザー治療は難しくはなく、痛みもほとんど伴いません。
薬物療法やレーザー治療で十分な効果が得られない場合は、手術での対応となります。眼圧を安定させる組織を排出させることにより、眼圧状態の改善を図る手術となります。