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田園通信

[眼科 東戸塚]

2024年03月24日

視界に浮遊物が見える〜飛蚊症【後編】〜

東戸塚田園眼科クリニックです。

飛蚊症とは、それ自体は通常は無害であり、多くの人々が何らかの形で経験します。
これは、飛蚊症が眼の中の透明なゲル状物質(硝子体)に加齢とともに濁りが現れて、それが視界に影や点として見える現象だからです。
しかし、飛蚊症は、時により深刻な眼の問題の兆候である可能性があり、飛蚊症が徐々に増加するのではなく、急激に増加した場合や、光視症とよばれる別の視覚的症状が伴う場合は、注意が必要になります。

本日は、飛蚊症に潜む別の病気についてご説明させていただきます。
まず、病気ではない目の生理的変化である後部硝子体剥離
そして後部硝子体剥離が引き起こす網膜裂孔網膜剥離について説明します。


1. 後部硝子体剥離 (PVD)
後部硝子体剥離は加齢に伴う生理的な目の中の変化で飛蚊症の原因のひとつです。
詳しく説明すると、目の中にはコラーゲン線維とヒアルロン酸でできた透明なゲル組織である硝子体が詰まっています。
このヒアルロン酸が含む水分が加齢に伴い減少して硝子体は縮んでいきます。
そして、徐々に硝子体が眼の後部の網膜から離れ、ついにはずれます。
このはずれた硝子体の後ろの部分には濁りがついているため、これが視界に映り飛蚊症になります。
後部硝子体剥離自体は無害ですが、一部の人に次の2と3で説明する網膜裂孔や網膜剥離を引き起こすため確認のための眼底検査が必要になります。

2. 網膜裂孔
1で説明した後部硝子体剥離が生じたときに、網膜が引っ張られて孔が開くことがあります。
これを網膜裂孔といいます。網膜裂孔が見つかったら、可能な限り網膜裂孔の周囲をレーザー治療で焼き固めて次の3で説明する網膜剥離に進行するのを予防します。

3. 網膜剥離
2で説明した網膜裂孔は、ほとんどの場合、網膜剥離になります。
飛蚊症が突然増加する場合や、パッパッと光の閃光が見える症状(光視症)を伴う場合は、網膜裂孔か網膜剥離である可能性があります。
網膜剥離は、眼の内部で網膜がその下の組織から離れ網膜がダメージを負う深刻な状態であり、治療しない場合は失明につながる場合があります。
網膜剥離は、時間が経つほど重症化したり、網膜のダメージが強くなるため、緊急的に手術を行います。

網膜裂孔や網膜剥離は発見が早いほど治療経過が良いです。
網膜裂孔の段階で発見されると、レーザーで網膜剥離を予防でき、手術は不要になりますので、飛蚊症が急に出たり、増えたりしたら、可能な限り早く眼科を受診することが大切です。

気になる目の症状がありましたら、クリニックまでお越しください。
医師より詳しくご説明させていただきます。

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