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田園通信

[眼科 東戸塚]

2023年12月04日

まばたきの減少と、ドライアイ

東戸塚田園眼科クリニックです。

最近、初めてのコンタクト処方を希望して来院される、10代の学生さんの角膜に
点状表層角膜症」というドライアイの重症所見を認めることがあります。

点状表層角膜症」とは、角膜表面の乾燥などにより
角膜表層の細胞がところどころ早死にして、抜け落ちる所見です。
ドライアイによる点状表層角膜症は加齢とともに増え、
以前はコンタクト使用歴のない、10代の患者様には
滅多に認めることがなかったのですが、最近増えている印象です。

スマホやタブレット
近年、スマホの普及やデジタル社会の発展とともに、
全年齢層でドライアイが増えています。
SNSやYouTube、ゲームなどをスマホやタブレットで長時間楽しむと、
まばたきが減少し、ドライアイや眼精疲労の原因となります。
特に、近くのスクリーンを集中して見ると、
著しくまばたきが減少してドライアイになりやすくなります。
1回のまばたきで、角膜の表面に涙の膜が補給されますが、
この膜は10秒くらいで壊れ乾燥します。
そのため涙の膜が壊れる前に、次のまばたきで涙の膜を補給しているのです。
まばたきの回数が減ると、補給が追い付かず、角膜表面が乾いてしまいます。

まばたきの減少に加えて、次のようなライフスタイルがドライアイを悪化させます。

・湿度が低い季節(秋から冬にかけて)
・冷暖房による室内の乾燥
・コンタクトレンズの長期・長時間の装用
・夜型の生活
・食生活の変化
・運動不足
・ストレスや睡眠不足、疲労による自律神経の乱れ
・加齢
・自己免疫疾患
・まぶたの病気


米国眼科学会は、ドライアイや眼精疲労を予防するために
「20-20-20ルール」を推奨しています。
20-20-20ルールとは、
連続して20分液晶画面を見たり、文章を読んだりした後に、
20フィート(約6m)離れたところを、20秒間眺めるという方法です。
なかなかできないと思いますが、参考にしてください。

さて、先述しました、点状表層角膜症を認めた患者様のお話しですが
話しを聞くと、長時間スマホをしている人がほとんどです。
内閣府の調査(2023年度)によると、
学生のネット使用時間は、高校生5時間45分、
中学生4時間37分、10歳以上の小学生3時間34分、
9歳以下の小学生2時間14分との結果が報告されています。

子供とスマホ
デジタル社会化が顕著である昨今では、
まばたき減少の原因となるインターネットやスマホの時間を減らそうとしても、
難しい時代であることを認識せざるを得ません。
つまり、私たちはこのドライアイ、あるいは点状表層角膜症とは、
上手くお付き合いしていく必要があります。
眼科では人口涙液の点眼薬などを処方しますが、
完全になくなることはありません。
そのため、我々も患者様も、
角膜感染症を引き起こさない」ということに目標を置き、
定期的な検査をすることを推奨します。

また、コンタクトレンズをご使用のかたは、
出来るだけ角膜感染症のリスクが低い1 Dayコンタクトを使用し、
どうしても2-Weekレンズが必要な場合は、殺菌洗浄を徹底することが大切になります。

ライフスタイルに合わせて、ご自身の健康な眼を守っていきましょう。

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