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田園通信

[眼科 東戸塚]

2023年10月16日

ものもらいってどんな病気?症状から治療法まで解説!【治療編】

東戸塚田園眼科クリニックです。

誰でも経験のある、身近な目の病気「ものもらい」。

前回の田園通信では「ものもらいはどんな病気なのか?」という病気の説明と
症状について解説しましたが、今回はその治療法について説明したいと思います。
※病気の説明と症状についてはこちら

まず、ものもらいは「麦粒腫」と「霰粒腫」という、2つのまぶたの病気の総称でした。
そのため、似て非なるこの2つの病気を見分けることが大切です。
なぜなら2つの病気はそれぞれ治療法が違うからです。

〜それぞれの治療法〜
まず「麦粒腫」は、まつげの毛根付近の脂腺や汗腺、
そしてマイボーム腺の細菌感染が原因でした。
そのため、治療は抗生物質の点眼や眼軟膏を使い細菌感染を抑えることが目標になります。
炎症が強く症状が激しいときは、抗生物質の内服を使うことがあります。
通常は1週間程度で治りますが、膿が溜まって治りが悪いときは排膿します。

次に「霰粒腫」は、マイボーム腺が詰まる病気でした。
普段はさらさらした透明な脂が分泌されて、目の表面の乾燥を防いでいるのですが
詰まると行き場を失った脂がまぶたの中にどんどん溜まり、白く固まってしまい炎症を引き起こし、まぶたが腫れます。
そのため霰粒腫は、まぶたに触れるとしこりを感じます。
治療は、この炎症を取ることを目標として、ステロイドの点眼や眼軟膏を使用します。
また、時に細菌感染を伴うことがあり、腫れや痛みが強まります。
これを「化膿性霰粒腫」と言います。
化膿性霰粒腫は、ステロイドに加えて抗生物質の点眼や眼軟膏を使用します。

また霰粒腫の固まった脂は多くの場合は自然吸収されますが、
重症であったり、治療開始が遅くなると、固まった脂の塊の周囲に肉下種性変化が起きて
固まった脂のまわりが線維性の袋で覆われてしまい、
自然に吸収されなくなり大きなしこりが残ってしまうことがあります。
この場合はステロイド懸濁液を袋の中に注入したり、手術により袋ごと摘出します。
このように、まぶたが腫れても原因になる病気によって治療法が異なるため、
医師による診断が重要になります。

〜予防について〜
最後に、ものもらいの予防についてお話しします。
麦粒腫で起きる細菌感染も、霰粒腫で起こるマイボーム腺の出口の詰まりも、
目の表面に住んでいる常在菌が増えることが関係していました。
体調が悪く免疫力が落ちた時や、目の表面の環境が悪くなった時に、
常在菌が増えて病気を引き起こしやすくなります。
十分な睡眠やバランスのとれた栄養など、
免疫力を落とさない生活を心がけることが大切です。
※常在菌についての詳しい説明はこちら

また、目の表面の環境を悪くしてしまう以下の項目が自分に当てはまらないか、チェックすることをおすすめします。
✓2Weekや1Monthの使い捨てコンタクトレンズのケアが不十分
✓アイメイクがまつ毛を越えてしまう(粘膜などから汚れが入り込む原因を作っている)
✓過度な洗顔をして目の表面を傷つけている
✓洗顔が不足していて汚れが残っている

それでも、ものもらいになってしまった時には早めの治療開始が大切なので
速やかに近くの眼科にかかることを心がけましょう。
ものもらいの原因 【参考文献/ものもらい@】日本眼科学会
【参考文献/ものもらいA】日本眼科学会
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